自己紹介

こんなに自分の人生って情報量が豊かだったのかと戦慄している。

自己紹介って何なんだと思う。自分を紹介しなさいということなんだろうが、自分でも自分のことをよくわかっていないのに、無理がある。例えばぼくが面接でコンパクトに「若生宗太朗です。趣味はカレー作りです」と言った場合、カレー作り以外のぼくのあらゆる趣味はなかったことになり、ぼくが釣りをしたりラップをしたり三味線を弾いたりしていた時間は相手には全く見えなくなってしまう。それが嫌だ。その場の空気に合わせて適切な自分を開示するゲームにはもううんざりだ。そういうことなので、本当の自己紹介をぶちかましていこうと思う。まずは事実から。事実はいいよな、事実だから。

以上が、どう考えても疑う余地のない、2024年4月15日現在の若生宗太朗に関する事実だ。しかしこれでは味気なさすぎるし、他人に自分のことを知ってもらいたくてポートフォリオを作ろうとしたのだから、もう少し自分について意気揚々と語ってもいいのではないか。自分語りは嫌われるけれども、わざわざ金を払ってサーバーを借りているんだから。そう思うものの、自分のあらゆる側面を語りだしたらきりがなく、考えただけで気絶しそうになるほど面倒くさい。どうしよう。めんどくさすぎる。ほんとに、話したいことは沢山あるんすけどね、わざわざ書くのがだるすぎる。こんなに自分の人生って情報量が豊かだったのかと戦慄している。気が狂わないほうがおかしい。がんばります。

小学校時代

クラスの全員が中学受験をする謎の私立小学校に入ったが、母親の「子供が夜遅くまで勉強しているのはおかしい」という価値観のおかげで、のびのび育つ。塾などには通わなかったが、周りのレベルが高かったので、なんとかついて行こうと苦心した末、自学自習の習慣を小5の頃身につける。娯楽が読書くらいしかなかったため、1日1冊のペースで本を読んでおり、4年生から6年生にかけて多分1000冊以上読破した。村上春樹とか読んで、よくわかってないのにわかった顔をする厄介なガキだった。

中学・高校時代

内部進学で中学校に行くはずだったが、内部入試で特待をもらえなかったので、その中学校を普通に一般受験して無事特待をもぎ取る。進学すると小学校の頃に身につけた自学自習の経験が功を奏し、中高特に苦労することなくお勉強の成績はトップクラスだった。
さすがに運動をしようと思って野球部に入部すると「球を高速で投げる」ことの魅力に取り憑かれてしまい人生が狂う。休み時間や放課後など、時間を見つけてはシャドーピッチングをしていた。しかし学校は部活に全く力を入れておらず、グラウンドもコンビニの駐車場くらいの狭さなので、まともに練習をすることはないまま6年間の野球人生を終える。6年間で試合に勝てたのは、たったの2回だった。

高校に内部進学すると、さらに勉強の調子がよくなった。この頃「東大を志望しておけば最低でも早慶には行ける」という言説が流布しており、自分はそれを真に受けて東大を志望した。しかし自分の学校は歴代で東大に合格したのが3人だけというなかなか厳しい学校で、先生たちの期待やサポートを受けつつ競走馬のように頑張ったのですが、結果として慶應文学部というなんとも言い難い結果になってしまいました。皮肉にも早慶には行けたわけです。
ほんとアホみたいに勉強したが、なんでこんなアホみたいに勉強したかというと、このころには自分の得意なことが勉強くらいしかないということを悟っており、必死こいてやらないとヤバいことになると思っていたからだ。やってよかったと思うけれど、やったところでヤバいものはヤバかった。

大学時代・現在

それまで勉強という足枷のせいでセーブしていた趣味(音楽、釣り、カレー作り、執筆)が爆発。特に友達を作ることなくこれらに打ち込む。大学2年の終わりに田村くんという友達ができて、それから間もなく彼女ができる。多分孤独なときに自分の好きな物に精一杯打ち込んでいたので、それが熟成されて人間的な魅力になったのだと思う。自分は丸いメガネの変な顔のラーメン大好きパンパン人間なので、それを補って余りある魅力ということだろう。ここから結構人生が動き出し、ラップグループの結成(インターネットで知り合った知らない外国人と。曲の配信もしてます)、文芸誌「ヤケクソ文学」の刊行(これは田村くんたちと。文学フリマで50部売れた)、カレー屋でのバイト(吉祥寺のまめ蔵という老舗、変な人たちが沢山働いており、悪い影響を受けた)など、目の前のことに追われているうちに今に至る。

就活っぽいことはあんまりしてないが、夏にTBSテレビのインターンには参加した。私は面白い人間なので余裕で高倍率をくぐり抜け、朝の番組「ラヴィット!」のAD体験を2週間ほどしたが、最終的にバラエティ班の偉い人に「君は挨拶ができないね」と言われ、早期採用には至らなかった。挨拶が大事ってこういうことなのかと身をもって感じたので、犬の散歩に行く時積極的に知らないババアにサツアイをぶちかますことにしたのだが、結局キー局にはひっかからず、お先真っ暗である。

ぎゅっとするとこんな感じです。もっとぼくのことを知りたかったらぜひ会いましょう。